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デビットカードの現状と将来性

デビットカードとは、販売店(デビットカード加盟店)の店舗で、消費者が商品やサービスの購入代金の支払いに、現金の代わりに銀行など金融機関のキャッシュカードを利用するシステムである。そして、1998(平成10)年に銀行や流通会社などを主要メンバーとして設立された日本デビットカード推進協議会が普及・促進を図っている(ジェイ・デビット)が、日本版デビットカードである。

現在、銀行や信用金庫、信用組合、農協、郵便局など1500を超える金融機関のキャッシュカードが利用可能で、その総枚数は3億5000万枚にもなる。また、利用できる加盟店(端末機設置)は20万を超える規模にまで成長している。クレジットカードが「Buy Now, Pay Later=先買い、後払い」というシステムであるのに対し、デビットカードは「Buy Now, Pay Now」という即時決済システムである。

つまり、クレジットカードは預金口座に残高がなくても使えるが、デビットカードは残高の範囲内でしか決済できない。ただ、現金派の消費者にとってみれば、わざわざ銀行で現金をおろす必要がなく、店頭でキャッシュカードを出して端末機に暗証番号を入力するだけという手軽さがある。購入代金が自分の預金口座から引き落とされ、そこから加盟店手数料が差し引かれ、加盟店の口座に自動的に入金されるというしくみはクレジットカードと同じだ。

j-Debitの課題は、①ブランドとして確立していないこと、②消費者の認識不足(キャッシュカードとは別のカードがあると勘違いしている人も多い)、③利用時間帯が金融機関の情報処理センターの稼働時間に左右されてしまうため、とくに深夜は使いづらいこと、などがあげられる。今後は、さらに消費者の利便性を高めることや、国際デビットカードとの相互乗入れなども視野に入れた改善を行なえば、より大きな成長が可能となるだろう。

カードの国際ブランドとは

カードの国際ブランドとは、独自の海外加盟店ネットワークと決済システムを構築しており、海外でも利用できるカードといえる。国際ブランドは大きく分けて二つある。一つが「VISA International」で、もう一つが「MasterCard International」である。この二つのブランドだけで全世界のカード決済の90%以上を占めている、まさにカード業界のメガブランドである。2002年末時点における、この二大国際ブランドのクレジットカード会員数(デビットカードを除く)はビザが10億30万人、マスターカードが5億9010万人で、合計で15億9040万人にものぼる。さらに、加盟店数は4920万店(ビザが2000万店、マスターカードが2920万店)、売上高の総合計は3兆7035億ドル(ビザが2兆5619億ドル、マスターカードが1兆1416億ドル)になる。これは1ドル=120円で換算すると444兆4200億円となり、日本全体のカード売上高の30兆7544億円の約15倍に相当する規模である。

しかも、両ブランドとも対前年比で二桁成長を続けているのだ。国際ブランドの使命は、国内だけではなく、海外でも安心して使えるクレジットカードとして、決済を安全かつ確実に行なえるようなインフラを整えていくことであり、カード会社やカード利用者からの信頼に応えていくことが重要になる。ただし、ここで注意しておきたいのが、ビザやマスターカードは、自ら加盟店開拓やカード発行を行なうことはしないということである。業務内容からみても、加盟店開拓やカード発行を行なっている国内クレジットカード会社とは異なっている。国際ブランドは、あくまでもクレジットカード業務を行ないたいという銀行やカード会社に対してライセンス提供を行ない、自らが構築した国際決済ネットワークを使える権利としてのブランドマークを貸与しているのである。

つまり、国内クレジットカード会社のカード券面から「VISA」と「Master Card」のブランドマークをはずした時点で、国内クレジットカードは国際的な決済ネットワーク(ビザやマスターカードの加盟店)では使えなくなり、クレジットカードの国際決済ができなくなるのである。ビザは、1955(昭和30)年に発足し、58(昭和33)年に発行したブルーとホワイトとゴールドのデザインからなるバンク・オブ・アメリカ(バンカメリカ)カードが前身となり、66(昭和41)年から広く全米にフランチャイズ展開を行ない、76(昭和51)年にその名称を変更したものである。現在では、世界最大の発行枚数を誇るクレジットカードの国際ブランドにまで成長している。

その本部組織であるVISA Internationalは、カードビジネスの国際決済ネットワークという重要なインフラを提供している組織である。自らはカード会員は募集せず、加盟店契約も行なわず、銀行を中心としたカード会社を顧客とするネットワークサービスを提供している。カード会社は「VISA」という統一ブランドでのクレジットカードを発行したり、加盟店契約を行なったりしている。銀行やカード会社にとっては「VISA」のメンバーになりさえすれば、VISA Internationalが運営する国際決済ネットワークを容易に利用できる。

マスターカードは、バンク・オブ・アメリカの動きに対抗して、66(昭和41)年に設立されたInterbank Card Association(カードの相互乗り入れ組織)が中心となり、マスターチャージというカード連合、さらに中西部バンクカード協会、FNCBという地域のカード発行銀行協会が参加してできた、全国的な上部団体(非営利法人)を前身としている。現在の本部組織であるMasterCard Internationalは、設立当初から国際展開に積極的で、北欧のユーロカードや英国のアクセスカードなどとも提携し、その決済ネットワークを拡大していった。現在では世界第2位のカード発行枚数を誇るクレジットカードの国際ブランドである。マスターカードはビザと同様に、世界中から認められ、高い評価を受けているブランドを掲げたグローバル・ペイメント・カンパニーなのである。

また、ロゴマークであるつながり合った二つの輪(Interlocking circles)は品質の保証を象徴し、「Master」と「Card」の互いに補完し合う関係をあらわしている。全世界のクレジットカード発行枚数の90%以上のシェアを占めるビザとマスターカードの二大国際ブランドは、現在ではドルや円などの通貨に代替できる国際決済サービスとして機能しているともいえるのだ。なお、この二つ以外の国際ブランドとしては「アメリカン・エキスプレスカード」「ダイナースクラブカード」「JCBカード」の三つがあり、これらを総称して五大ブランドと呼ぶこともある。

急増する提携カードのしくみ

「提携カード」とは、クレジットカード会社とメーカーや販売会社、複合商業施設などの企業が提携して発行しているカードのことである。デパートとの提携や有名ブランドショップとの提携ばかりではなく、ファンクラブ、フィットネスクラブ、大学、ホテル、航空会社、石油元売会社、パソコンショップなど提携先は多岐にわたる。最近話題になっている提携カードとして、TOHOシネマズと流通系カード(クレディセゾン)の提携による「シネマイレージ」がある。これは、映画を鑑賞すればするほど貯まる「シネマイレージ」を積算できるというもので、映画ファンにとってはたまらない新しいタイプのクレジットカードだ。

①シネマイレージを積算することでプレミアスクリーン招待券がもらえる、②六本木ヒルズで9本映画を観ると好きな映画を1本無料で観ることができる(オリジナルスタンプラリー)、③年会費永年無料など、多彩なサービス特典がついている。また、貯めたマイレージを無料航空券等と引き換えできるマイレージ機能付きのエアラインとの提携カードが着実に伸びている。たとえば、日本航空システムと銀行系(DCカード/JCBカード/ダイナースカード)との提携である「JALカード」や、全日空と銀行系(三井住友カード/JCBカード/ダイナースカード)との提携である「ANAカード」などだ。

では、提携カードのしくみを、美容院チェーン(サムソングループ・ブランコ)と流通系カード(OMCカード)との提携である「ブランコカード」を例にみてみよう。まず、カードの裏面にある「株式会社オーエムシーカード」は国内イシュアーとも呼ばれ、国内でクレジットカードを発行(イシュー)している企業名を示している。国際ブランドのルールによれば、少なくともローカル・アクセプタンスマーク(いわゆる国内のクレジットカード会社が長年にわたって育ててきた自社ロゴマーク)は、カードの表面からはずさなければならないというルールがあり、カード発行会社のロゴマークは表面には印字されないようになってきている。次に、カード中央上(表面)の「BLANCO」という文字が提携先の名称である。ここには企業名やショップ名が入ることになる。

さらに、右側のマークである「Master Card」は、国際カードブランドであり、このマークのステッカーが貼ってある国内外のクレジットカード加盟店で、このカードを利用することができるという、国際決済ネットワークのインフラを意味している。カード会員の立場からすれば、「Master Card」のマーク一つで、安心して、世界中の加盟店で使えるクレジットカードをもつことができることになる。そもそも提携カードが急増してきた理由は、カード会員の獲得に悩む銀行系カード会社や流通系カード会社、メーカー系カード会社が、当時、急成長を続けていた信販会社のカード会員の伸びに着目して、提携カード戦略を模倣しはじめたことがあげられる。つまり、人とカネの集まるところが、提携先として今後も重要なターゲットとなるのだ。

「カード」にもいろいろあるが

いろいろな種類があるカードは、まず支払機能(決済機能)があるかないかで大きく二つに分けることができる。支払機能がないものは、一般企業の社員証やフィットネスクラブなどの会員証に使われている身分証明書としての機能をもつ「IDカード」がある。支払機能は、さらに代金支払機能と現金支払機能の二つに分けることができる。代金支払機能をもつものには、テレホンカードやイオカードなどの「プリペイドカード」、同時払い方式の「デビットカード」、後払い方式の「クレジットカード」がある。

現金支払機能をもつものとしては、借入ができる銀行系カード会社や信販系カード会社が発行している「ローンカード」や「クレジットカード」(キャッシング)、預金などを引き出せる銀行や郵貯などの「キャッシュカード」や証券会社や生命保険会社などの契約者カードである「証券カード」や「生保カード」などがある。とくにクレジットカードは、一括払い、分割払い、リボルビング払いというクレジット機能に加え、キャッシングやローンなどの金融機能を併せもっている点が大きな特徴である。

いずれにせよ、消費者は、銀行系カードや信販系カード、流通系カードなどのなかから自分のライフスタイルにあった機能をもつ力ードを選択すればいいのだ。現在の傾向としては、消費者は、カードのもつさまざまな特典やサービスが、自分にとってメリットをもたらすのかどうかを重視している。その結果、複数のカードを所有し、しかもそれらを生活シーンのなかで使い分けているのだ。

クレジットカード会社の取扱高ランキング

トップの三井住友カードは、ビザ(VISA)とマスターカード(MasterCard)という二大国際ブランドと提携することで、大きく取扱高を伸ばしている。三井住友カードは、前身である住友クレジットサービスの時代には、わが国におけるビザブランドの旗頭として台頭してきた。これに対し、他の都市銀行系クレジットカード会社のほとんどがマスターカードブランドを推進していたが、80年代後半から国際ブランドのデュアル発行(一つのカード会社がビザとマスターカード両方のカードを発行する)が行なわれるようになり、競争が激化した。

このカード発行競争により、世界中で使える国際カードの発行が飛躍的に増大した。消費者からみれば選択肢と利便性が高まったことになるが、提携ブランド数の増加は、カード会社からみれば常に数種類の商品在庫を置いておかねばならないというコスト増にもつながる。さらに今後も取扱高を増やしていくためには、カード会員専用の新たな「金融サービス商品」の開発や、カードを「もってもらって、使ってもらって、喜んでいただく」という顧客満足サイクルの強化を図ることが不可欠になるだろう。

わが国のクレジットカードの発行枚数は、2002年3月末現在で2億4459万枚で、この10年間の伸び率は14%である。カード発行会社の系列別にみると、シェア1位は銀行系の9228万枚(37・7%)、2位が流通系で6871万枚(28・1%)、3位が信販系で6179万枚(25・3%)で、この三つで90%以上のシェアを占めている。ただし、この10年の伸び率をみると、とくに石油元売系の1・6倍、流通系の1・3倍が目立つ。

これは、カードの利用金額に応じたキャッシュバックサービスがついた石油元売系カードや、同様に利用金額に応じて商品購入の割引サービスをつけた大手百貨店系カードなどの積極的なカード会員獲得競争によるものである。また、取扱高はカードショッピングが23兆2739億円、カードキャッシングが7兆4805億円と、それぞれ10年前の1・8倍、1・5倍にもなっている。この10年間のクレジット産業全体が1・1倍程度の伸びだったことを考えると、とくにクレジットカード部門の成長が顕著だったことがわかる。

業態ごとにみた企業別の取扱高ランキング

主な銀行系クレジット会社、とくにFC(フランチャイズ)やBC(ブラザーカンパニー)のグループ企業全体の取扱高を合計して比較すると、1位はUFJ銀行系列のJCBグループ(5兆1790億円)である。以下、2位が三井住友銀行系列のVISAジャパングループ(4兆6395億円)、3位がみずほ銀行系列のUCグループ(2兆3795億円)、4位が東京三菱銀行系列のDCグループ(2兆1228億円)、5位がUFJカードグループ(1兆5216億円)となっている。これを企業単体でみると、三井住友カード(3兆335億円)が群を抜いている。グラフはデータを公表していない会社JCB、UFJカード、アメリカンエキスプレス、シティーコープダイナースカード等)を除いたものだが、三井住友カードとUCカード、DCカードが銀行系クレジット会社の雄といえる。とくに三井住友カードは、VISAジャパングループ全体の約3分の2に相当する取扱高であり、UCカードグループの取扱高を超えている。

・無視できない信販系クレジット会社の底力
信販系クレジット会社の比較では、日本信販(3兆3326億円)が1位で、その不動の地位をキープしている。2位はオリコ(2兆5591億円)だが、取扱高は銀行系トップの三井住友カードや流通系トップのクレディセゾン(2兆9698億円)に肉薄している。3位のクォーク(2兆1506億円)、4位のジャックス(2兆882億円)、5位のセントラルファイナンス(1兆9792億円)にしても、銀行系2位のUCカードを上回っている。銀行系クレジット会社に比べて認知度が低い信販系クレジット会社ではあるが、全国規模の営業ネットワークとフットワークを活かした営業展開で、サービス競争の時代を牽引しているといえるだろう。

・提携力-ドで伸びる流通系
流通系クレジット会社のトップを走るのは、クレディセゾン(2兆9698億円)である。これに、OMCカード(1兆5154億円)、イオンクレジットサービス(1兆2909億円)、ポケットカード(3224億円)が続く。いずれの企業も、流通の現場に近いというメリットを活かしながら、人の集まる複合商業施設やショッピングセンター、スーパーなどとの提携カードを中心に、取扱高を伸ばしている。

・イメージ戦略で顧客獲得を狙う消費者金融系
消費者金融系では、1位の武富士(1兆6756億円)をはじめ、アコム(1兆6529億円)、アイフル(1兆4133億円)、プロミス(1兆3757億円)と、イメージ戦略に成功している企業がランキングされている。

・全体トップは日本信販
企業単体の取扱高をクレジット業界全体でみてみると、トップは総合力に優る日本信販。以下、2位が三井住友カード、3位がクレディセゾン、4位がオリコと続く。

クレジットの関連業界が多様なワケは?

クレジット&カード業界に関連する業界は、たとえばクレジットならびにクレジットカードの業務を営む業者だけをとっても、①百貨店、②量販店、③通信販売会社、④訪問販売会社、⑤サービス・小売業者等、⑥電器専門店、⑦自動車ディーラー、⑧電機メーカー系クレジット会社、⑨自動車メーカー系販売金融会社、⑩流通系クレジット会社、⑪信販会社、⑫中小小売商団体、⑬信用保証会社、⑭個品割賦購入あっせん業者、⑮銀行系クレジットカード会社、⑯石油元売会社、⑰民間金融機関、⑱消費者金融会社、⑲郵便局の19業態がある。

この他にも、提携加盟店、提携企業、個人信用情報機関、生命保険会社、損害保険会社、コンピュータメーカー、システム・ソフト関連会社、印刷会社、セキュリティ業者、旅行代理店、データ通信会社、電話会社など、関連する業界は非常に幅広い。これは、クレジット業界と連携を組むことで、利用代金の立替えや決済をはじめ、さまざまな金融商品とサービスを幅広く提供していくことをめざしているからだ。このように多くの業界と相互に手を組むことができる点が、クレジット業界の最大の特徴なのである。

前項で述べた、クレジット業務を提供している代表的な18業態(郵便局を除く)のうち、90年代までナンバーワンの地位を保っていた信販会社を抜き、2000年から取扱高トップとなったのは、銀行系クレジット会社である。また、99年からは、民間金融機関と流通系クレジット会社、百貨店とサービス小売業者、自動車メーカー系と中小小売商団体の順位が入れ替わっている。

それぞれの業態が、それぞれの状況に応じて、クレジットの分割払いや一括払い、カードショッピングやカードキャッシング、消費者ローンなどを提供しているが、業界全体の成長を支えているクレジットカード(ショッピングとキャッシング)の伸びが、最近のランキングにも反映されているようだ。わたしたちは、入学や結婚、自動車購入や住宅取得といったあらゆるライフステージ、あるいはスーパーやコンビニでの日々の買い物やインターネット上での決済において、何らかのクレジット商品の恩恵にあずかっている。

クレジット販売の複雑なしくみ

クレジット販売は、単純に分割(割賦)払いであるというようなイメージがあるかもしれないが、実際には、その個別の形態によっていくつかに分けられる。以下に、その基本的な形を紹介していこう。

①割賦販売または自社割賦
消費者が、デパートや専門店などから商品、あるいはサービスをクレジットで購入するときに、商品やサービスの提供者であるデパートや専門店が直接クレジット販売を行なうのが「割賦販売」という形態である。要するに、デパートや専門店などの小売業者(販売会社)が自社で行なう「信用販売」だ。支払方法が分割払いならば「割賦販売」といい、分割払い以外のボーナス一括払いなどを「非割賦販売」という。この場合、消費者はクレジットの返済を小売業者(販売会社)に対して行なうことになる。顔なじみのお客様に対しての売掛販売(信用貸し)などもこれに相当する。

②自社カード販売
デパートや専門店などが「カード」を自社発行している場合がある。このカードを利用して商品やサービスをクレジット販売する形態を、小売業者(販売会社)が行なう「自社カード販売」という。自社カード販売にも、分割払いの割賦販売と一括払いの非割賦販売がある。クレジットカードの発行者は、信販会社などのクレジット会社ではなく、あくまでも小売業者(販売会社)自身である。したがって、クレジット返済は小売業者(販売会社)に対して行なう。

③ローン提携販売
新車や中古車をローンで購入するとき、自動車ディーラーが提携している銀行(金融機関)のローンを利用する。このとき、購入者への融資実行に対しての保証を自動車ディーラーが行なう。このような形態を「ローン提携販売」という。融資が実行されると、提携銀行等から自動車(商品)の販売代金が小売業者(販売会社)に支払われる。ローンの返済は銀行(金融機関)に対して行なう。

④割賦購入あっせん/個品割賦=ショッピングクレジット
電器専門店や宝石店などで、パソコンや指輪などの商品をクレジットで購入するときに、第三者である信販会社等のクレジット会社が提供(あっせん)する「ショッピングクレジット」を利用することがある。こうした形態を「割賦購入あっせん」という。商品の購入代金が信販会社等(クレジット会社)から小売業者(販売会社)に対して支払われ、消費者は信販会社等に対して返済を行なう。オートバイやスキー用品の購入など、個別の商品を購入するたびに毎回個別のクレジットを申し込むことから、「個品割賦」あるいは「個品あっせん」とも呼ばれている。

⑤割賦購入あっせん/総合割賦=カードショッピング
④と同様だが、信販会社等が提供(あっせん)する「クレジットカード」を利用して、商品やサービスをクレジット購入する形態は「カードショッピング」という。信販会社等(クレジット会社)から小売業者(販売会社)に対して商品購入代金が支払われ、消費者はクレジットの返済を信販会社等に対して行なう。一度クレジットカードを作ってしまえば、ショッピングクレジットのように商品を購入するごとにクレジットの申込みをする必要がなく、サイン一つで総合的に利用できるところから、「総合割賦」あるいは「総合あっせん」とも呼ばれている。

⑥提携ローン
私たちが家を増改築するときなどは、リフォームローンなどを利用する。こうしたローンのうち、信販会社等が提携している金融機関(生命保険会社等)のローンを利用する形態を取り、かつ、ローン(融資)実行に対しての保証を信販会社等が行なうものを「提携ローン販売」という。融資が実行された場合、リフォーム(商品)代金は信販会社等のクレジット会社を経由して小売業者(住宅販売会社や工務店など)が消費者の代理で受領する。そして、ローンの返済は信販会社等に対して行なわれる。つまり提携ローンは、信販会社等が金融機関(生命保険会社等)の代理でローンの回収を行なうというものである。

以上のように、素人には複雑極まりないクレジットの形態は六つに分けられる。だが、カネには色がなく見分けがつかないように、いざ小売業者(販売会社)の店頭でクレジットを利用するときに、それがどの形態であるかなどはあまり意識しないし、よくわからないのが普通だ。また、こうしたクレジットの形態にはもう一つ、次に述べる「消費者ローン」がある。

⑦消費者ローン/カードローン
「消費者ローン」とは、わたしたちがカネそのものを借りること、すなわち無担保ローンやキャッシングを利用するときに、消費者金融専門会社等のクレジット会社から直接融資を受ける形態である。ローン返済は、当然、融資を受けた会社に対して行なう。最近では、ある一定の限度額までなら自由に何回でも融資を受けられる融資専用のカードも増えているが、これらは、「カードローン」あるいは「ローンカード」という。すでに述べたように、クレジット&カード業界では、①から⑥までの形態を総称して販売信用、⑦を消費者金融と呼んでいる。

クレジット産業の中心はカードショッピング

クレジット産業を大きく分けると、モノやサービスを対象に立替払いを行なう「販売信用」業務と、小口の融資を行なう「消費者金融」業務の二つがある。取扱高でみると、販売信用が約48%、消費者金融が約52%を占めている。これを、具体的なクレジット商品ごとにみると「個品割賦(ショッピングクレジット)」は、パソコンや貴金属など個別の商品ごとに割賦契約を結ぶモノを対象にしたクレジットであるため販売信用業務になる。また「クレジットカード」は、商品代金の決済を行なう場合は販売信用業務になるが、カードを利用したキャッシングは消費者金融業務ということになる。

「消費者ローン」は、消費者金融会社や信販会社が消費者個人に融資を行なうもので、これも消費者金融業務ということになる。わが国のクレジット産業は、すでに70兆円を超える巨大市場となっているが、これを個別商品ごとの内訳でみると、販売信用業務の「クレジットカード(ショッピング)」が全体の31・4%を占める。これに続くのが消費者金融業務の「担保ローン」で18・8%。以下、販売信用業務の「個品割賦」が16・5%、消費者金融業務の「消費者ローン(消費者金融会社)」が14・3%、消費者金融業務の「クレジットカード(キャッシング)」が10・1%となってい
る。

クレジット産業の中心業務は「販売信用」と「消費者金融」という金融サービスの提供にある。前者は、消費者が商品やサービスを購入する場合にクレジット会社が立替払いを行なうクレジット(ショッピングクレジットやカードショッピング)のことである。後者は、消費者がカネを直接借りる場合のクレジット会社が行なう融資(キャッシングやローン)のことである。では「販売信用」と「消費者金融」の最大の違いはなにか?販売信用の場合には、消費者が商品やサービスの購入代金を直接手にすることなく、クレジット会社から商品やサービスを販売しているお店に対して購入代金が支払われることになる。

一方、消費者金融の場合には、クレジット会社や銀行や信用金庫などの金融機関の店頭、およびCD(現金引出機)やATM(現金自動預払機)を通じて直接、消費者が現金を手にすることができる。いずれの場合にも、クレジットを利用した消費者は、クレジット会社への返済の義務を負うことになる。また、クレジット会社へ、利用形態に応じた手数料や金利を支払わなければならないことになる。そして、消費者の返済が完了した時点で「クレジット」という商行為は無事に終了する。

クレジット産業の市場規模は?

「クレジット」とは、消費者が商品やサービスを購入するときの代金を、「クレジット会社が、消費者に代わって立替払いするしくみ」のことである。たとえば、学生時代に、コンパの飲み代を支払うときに手持ちの資金が足りなくて、友人に立て替えてもらったという経験があるだろう。その場合、あなたは友人に自分の飲み代を借りた(借金)ことになるし、友人からすれば飲み代を貸した(融資)ことになる。つまり、それは友人同士の「信用」にもとづいたお金の貸し借り(資金の融通)ということになる。

クレジット会社は、この場合の友人と同じ役割を果たす。クレジット会社と加盟店契約を結んでいる店で、あなたがショッピングや食事をした場合、あなたは現金の代わりにクレジットカードで代金を支払うことができる。クレジットカードの利用は、本人に代わってクレジット会社が代金を立て替えて支払うという約束事の上に成り立っているしくみなのである。

もちろん、クレジット会社に立て替えてもらった代金は、後日、クレジット会社に返済しなければならないのは当然である。ときどき、それを忘れる人がいるのは困ったものである…。クレジットは、お金の流れからみればクレジット会社に対する”借金”であり、時間の流れからみれば”返済の先延ばし”ということになる。また、分割払いやリボルビング払いの場合には”返済の平準化”(一度に支払うのではなく少額ずつ分けて支払う)という機能を活用することができる。

クレジット産業の市場規模は、約74兆円(2001年12月末時点)である。その内訳は、商品やサービスの購入に対するクレジットである「販売信用」が35兆5015億円、お金そのものを融資するローンやキャッシングなどの「消費者金融」が38兆5948億円となっている。さらに細かくみていくと「クレジットカード(ショッピング)の1回払い(非割賦購入あっせん)」が、取扱高18兆1135億円、伸び率も対前年比7・6%増と、いずれもトップである。取扱高では、金融機関が提供する「定期預金担保貸付」が11兆円余りで二番目だが、対前年比は8・6%の減少となっている。

伸び率では、「消費者ローン(消費者金融会社)」が対前年比6・5%増、「消費者ローン(クレジットカードキャッシング)」が6・4%増と続く。この数値をみてもわかるように、現在のクレジット産業は、クレジットカードのショッピングとキャッシング、ならびに消費者金融会社の消費者ローンの成長に支えられている。これに対して、カードを利用しない「個品(ショッピングクレジット)」分野は、すべて対前年比でマイナスを示している。

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